ARTIDA OUD

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「Sophia203」デザイナー / ソフィア・エドストランド

interview

「Sophia203」デザイナー / ソフィア・エドストランド

まるで、いたずらな妖精が一針一針縫い上げたかのように繊細で無邪気な刺繍。

ソフィア・エドストランドによるクチュールアクセサリーブランド「Sophia203」の作品を初めて目にしたとき、そう感じた。インドの伝統的な刺繍技術で、ジュエリーやベルト、ポーチやヘッドアクセサリーなどハンドメイドにこだわり抜いて制作し、世界各国のセレクトショップで人気を博している。

「子どものころによく塗り絵をしていた感覚でデザインしているわ」と微笑む彼女は、ARTIDA OUDのテーマ「raw beauty=ありのままの美しさ」を纏う。国や言語の壁を超え、ときめきに忠実に、気持ちを込めて制作活動をする眩しい姿をとらえたインタビューです。





―――どのような経緯で、ご自身のブランド「Sophia203」をスタートされたのでしょう?

アートスクールでデザインを学んだあと、インドのジャイプールで「マリーエレーヌ・ドゥ・タイヤック」というジュエリーブランドのクリエイティブ・アシスタントを務めました。その後、2009年に独立してハンドクラフト作品に特化した、自分のブランドである「Sophia203」を始めました。


―――美しくも繊細な、刺繍の魅力を教えてください。

人々はラグジュアリーという意味を誤解しているように思います。私にとって、商品の製作に時間をかけ、職人の手間や想いが込められたハンドメイドこそが究極のラグジュアリー製品。刺繍は、ひとつひとつの作品を作るのに本当に長い時間がかかっていて、そうして作り上げられた繊細さが、刺繍の魅力だと思います。




―――カラフルな色使いやインドの手作業のぬくもりには、ARTIDA OUDの世界観と通じるものを感じます。インスピレーションの源はありますか?

いまは子どもたちが多くのインスピレーションをくれますが、ずっと変わらないのは、まわりの方々や芸術や自然に触れること、そしてヴィンテージのジュエリーをたくさん見ること。例えば今日持ってきた作品だと、背中に背負う形になっているゴールデンウイングは、子どもたちにインスピレーションを受けたものです。もともと好きな宝石の形をしたイヤリングは、さまざまな色でカラフルに作りました。




―――デザインのお話をしているとき、目が輝かれますね。クリエイティブなことは昔からお好きだったのですか?

子どものころから、大好きでした。私は昔から手を使う作業が好きで、手縫いで洋服を作ってみたりもして。おしゃれではなかったですけどね(笑)。私の母もインテリアデザイナーで常にインスピレーションボードを持っているクリエイティブな人でした。母から受けている影響は、大きいと思います。


―――ご自身のブランドの商品を作られたり、一時はお住まいになられていたということですが、ソフィアさんにとってインドはどんな国ですか?

インドは異国情緒漂う美しい国で、仕事をきっかけに8年間住みました。パリとインドと日本を行き来するようになって、そのなかで、いまの主人にも出逢ったんです。インドの方々が、どんなものでもハンドクラフトで作ってしまうところが好きですね。例えば自宅の壁も6ヵ月ごとに塗装をし直すほど自由だったり、手作りの家具がたくさんあるのも素敵なところですね。だんだん大量生産のファストファッションブランドの知名度が上がり、昔の情緒が失われつつあるのは悲しいです。


"elafonisi" dark amethyst pave diamond necklace 37,800yen (with tax)

―――ARTIDA OUDも、インド・ジャイプールでジュエリーを作っていて、ジュエリーの購入金額が途上国の女性に送られるドネーションも行っているんです。

ドネーションは素晴らしいですね!多くの方が感謝していると思います。実は私も、インドのムンバイでドネーションをしたことがあります。知り合いが毎週土曜日にスラムの子どもたちにアートスクールを開いていたので、そこに寄付をしました。ドネーションによって子どもたちが少しでもより良い環境で生活していけるようになるなら、私にとってもそれはとても幸せなことです。



子どものころに塗り絵をした感覚でデザインする


―――日々忙しいなかで、ソフィアさんが、無邪気になる瞬間はどんなときですか?

子どもたちと遊んでいるときはもちろんですが、仕事をしているときも無邪気になれる瞬間はたくさんありますね。例えば、自分のデザインの色を選んでいるときや、ストーンを選んでいるとき。とても楽しいです。子どものころによく塗り絵をしていたのですが、それに近い感覚です。時間さえあれは何時間でも仕事をしていられるくらい、夢中になれます。




―――日本でお気に入りの場所を教えてください。

東京だと岡本太郎の美術館によくコーヒーを飲みに行きます。庭園にはバナナの木や彫刻があってとても落ち着いた場所です。ほかにも、中目黒の川沿いを歩くのも好きですし、別荘がある葉山も好きです。


―――仕事を通じて、世の中に伝えたいことはありますか?

昔はイタリアやスウェーデンでも、ハンドメイドの商品が多かったんです。でも、いまは手間や、担い手不足から絶滅しかけていて、入手が困難になってしまいました…。だからこそ私は、ハンドメイドにこだわり続けています。このままだと機械によって作られるコピー商品が溢れてしまう。皆さんにも、買い物をするとき、その商品が作られた背景を考えて欲しいと思います。機械でなく手で作られたものを買うことに意味があると思うから、ハンドメイドの美しさ、素晴らしさを多くの方に知っていただければ嬉しいです。




―――今後チャレンジしたいことはありますか?

Webサイトを作ることです。ずっとやらないといけないと思いながら、手が回っていなくて…サイトを開設して商品を販売することができるようになれば、住む場所に関係なく、より多くの方に作品を届けられる。それを実現させたいです。



日々働き、家族を大切にすること。それだけでもう、素晴らしい


―――様々なフィールドで頑張る女性へ、メッセージをお願いします。

とにかく、何事にも挑戦し続けることを忘れないでほしいですね。スウェーデンでは子どもを生んだあと、女性も当たり前のように働きます。男女の差がないのは、家庭内でも同じ。いま、私の夫はいろんなことを手伝ってくれるし、今日も保育園に娘たちを連れて行ってくれました。その環境を社会や政府が整えてくれたら最高よね。すべてをマネジメントするのはとても難しいことだけど、自分自身の為に何かをするというのはとても大切です。私も今朝ジムに行ってきたんですよ(笑)。


"elafonisi" dark amethyst pave diamond necklace 37,800yen (with tax) / "elafonisi" tanzanite pave ruby necklace 37,800yen (with tax)

―――このブランドは“raw beauty=華美に飾らず、ありのままの女性の美しさ”をテーマにしています。そういった意味で、美しいと思う女性はいますか?

私はセレブリティにあまり魅力を感じないんです。著名人でなくても日々働き、家族を大切にしている方はみんな素晴らしいと思う。日本の女性には働かないっていう選択肢もあるみたいですが、スウェーデンでは専業主婦になりたいという女性はとても少なくて男性も女性も対等。自分の好きなことを見つけて、一生懸命でいる人は素敵だと思います。結婚はゴールではなく、自分のしたいことを、一緒に目指すことができる人と共に人生を歩むスタートだと思います。


―――“ありのままの女性の美しさ”には、内面の美しさもあると思います。自分を育ててくれた本などがありましたら教えてください。

最近引っ越しをして、荷解き中に見つけた本です。ニューヨークに住んでいる有名なイラストレーターがイラストも文章も手掛けていて、とても励まされるんです。内容は、彼女の母の話。イスラエルからアメリカに引っ越し、また母国イスラエルに帰った時に旦那さんと別れて50代からニューヨークで新たな人生を歩んだんですって。お母さんの年齢から新たな人生を歩むその姿勢には、勇気をもらったわ。何を始めるにも、遅いことはないって。


―――ARTIDA OUDのジュエリーで気に入ったものを教えてください。

この指輪はすごく気に入っています。普段からよくアクセサリーを身に着けるんだけど、これなら結婚指輪にも合うし、シンプルでナチュラルなところが良いですね。私はラブラドライトの輝きが大好きなんです。

(画像左・小指左から)"eden" K10YG round small rhodelite bezel ring 29,160yen (with tax) / "elafonisi" labradorite pave diamond ring 25,920yen (with tax)
(画像右・上から) "elafonisi" blue topaz pave diamond mini hoop pierced earring 18,360yen (with tax) / "elafonisi" pear shape ruby pave open ring 18,360yen (with tax) / "elafonisi" dark amethyst new moon pave diamond ring 15,120yen (with tax)





PROFILE



ソフィア・エドストランド

1983年生まれ、スウェーデン出身。インドの刺繍技術で作られるアクセサリーブランド「Sophia 203」のデザイナーとして活躍。イノセントでカラフルなデザインが人気。

Instagram
https://www.instagram.com/sophia203/


 
PHOTOGRAPHER/MITCH NAKANO

EDIT/RIDE MEDIA&DESIGN

TEXT/MAHO MORITA , HANAKO FUJITA

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